理事長【挨拶】
 
  二十世紀という戦争に明け暮れた動乱の歴史の幕が漸く降ろされた2000年の記念の年に、本学園は創立百周年を迎えました。それから早くも十年を経て、二十一世紀に向けて始められた新しい試みも、各分野で見直しが求められる時期となりました。
  めざましい科学技術の進歩から発信されるさまざまなメッセージにより、社会はめまぐるしく変化し、その波はおくればせながら教育現場にも伝わってくるようになり、教育のあり方も変革を問われている面も多いと感じるこの頃です。
  今日学校では今までにも増して、安全、情報面での管理が重要となり、教職員の勤務管理、評価制度、高齢者雇用の安定などが問題とされ、児童・生徒のいじめの問題をはじめ、精神的、心理的面での生活指導も複雑化し、その他多くの課題、難問が一挙に噴出した感があります。
シスター田中理事長
 横浜雙葉学園
理事長
シスター田中順子
学園長
  時のしるしを読み、それにふさわしく対応していくことは、いつの時代にも大切なことだと思います。そこで、今、教育の原点に立ち返って、変わらないものと、変わるものとを神のみまえで識別し、長期的・中期的見通しをもって、計画的に、熟慮し、具体的に実行に移していく作業を優先していかなくてはならないでしょう。
  小学校、中学校、高等学校を通じて、学校生活のすべの教科・行事・活動の中で、共通して通底音のように流れるメッセージとは、神に似せてつくられた人間に とって本質的なこと─すなわち、「いのちの尊さ」「ひとりひとりのかけがえのない人格の尊厳」「善に対する感受性」「人間を超える偉大な存在(神)に対す る謙虚さ」「他人のために自分を与える喜びと幸せ」「人間が共に助け合い分かち合う連帯性」などであります。幼いときから成人するまで、少しずつ身につけ ながら成長していってほしいと、切に願います。
  わたくしどもは、私立学校及びカトリック学校としての特色を生かし、児童・生徒の人間教育に力を入れていく決意を新たにしております。
    2009年、横浜市は開港150周年を記念して祝います。本学園も創設者マザー・マチルドが、日本最初の修道女として横浜港に上陸してから、今年で、137周年と なります。この事績を記念するため、マザー・マチルドと4人の修道女が船から降り立つ姿をレリーフにして、2006年秋、講堂の外壁に掲げました。
  横浜市民の皆様方には、この日本に始めての修道女マザー・マチルドが1872年、横浜の港に上陸したことをご記憶に留めて戴ければ幸いです。
  終わりに、教育基本法の改正に伴い、教育が管理、統制される方向が強化されて、カトリック学校のめざす人間教育が歪められることのないように、強く要望しております。各方面の皆様方の、本学園に対するご理解、ご支援を宜しくお願い申し上げる次第です。
 
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